先日、長年加入していた職場の共済医療保険を見直し、解約(正確には「不更新」)しました。
例年この時期に、保険の更新手続きの受付が始まりますが、私を含めてほとんどの職員が見直しを行いません。何も提出せず、これまでと同様の保険内容を自動更新します。
・共済保険は給料から天引き
手取りから支払わないため、保険料を支払っている実感が湧きにくい。
・給与明細への保険料記載が企業年金保険の掛け金と合算
純粋な保険料が分かりにくい。
・大衆心理
「大多数の職員が加入しています」との記載を受け、とりあえず加入してしまう。
・分かりにくい保険料の必要掛け金
保険の説明は、「保険の内容」「特約の説明」「もし…になったら安心!という例示」ばかりで、結局月にいくら払うのかが一目で分からない構成になっている。
・保険に関する知識不足
良く分からないので、「保険は入ることが当たり前」と自分で考えることを放棄して、勧められるままに加入してしまう。
公務員が共済保険を見直さない原因として、以上のことが考えられます。
私についても例外ではありません。
これまで、必要最低限の範囲で加入しているつもりでいましたが、具体的な補償内容は理解しておらず、見直しも口数を減らすのみで、「解約する」という選択肢は頭にありませんでした。
■日本人は保険好き
日本人は他国民、特に欧米と比べて「保険好き」だと言われています。
●支払い保険料が高い
・1世帯当たりの保険料支出
・GDP比の生命保険料
いずれも長年、世界トップクラスです。
●世帯当たりの保険契約”本数”が多い
・生命保険
・医療保険・がん保険
・損害保険
・個人年金保険
・学資保険
多くの家庭でこの内ほとんどに加入するのが一般的です。
●貯蓄目的で保険を使う
・終身保険
・学資保険
・個人年金保険
本来「貯金」「投資」で行うべき貯蓄を、保険で代用する方が多いです。
以上から、
・欧米
「保証範囲を状況により見直し・縮小」
「保険は必要な範囲のみ」
「貯蓄は投資で行う」
・日本
「保証範囲を見直さず継続・追加」
「多くの保険に加入して漠然とした安心を買う」
「貯蓄も保険で行う」
という行動差が読み取れます。
つまり日本人は「保証が過大・不必要」であっても「保険は入って当たり前」という意識から保険料を支払い続けている、といえるのではないでしょうか。
■保険の本質
本来保険は、
「起こる確率は低いが、起きたら人生に致命傷を負うリスク」
に備えるものです。
逆に言えば、致命的なリスクのないものに保険は不要とも言えます。
以下は入院が必要となった場合の、平均入院日数と費用の目安です。
| 項目 | 日数・費用目安 | ガンの場合 |
| 平均入院日数 | 約14~28日 | 約20日 |
| 平均費用 | 約20万円 | 約100万円 |
※参照:公益財団法人 生命保険文化センター、メットライフ生命
ガンを例に考えると、平均入院日数は約20日、必要費用は100万円程度です。
必要費用の用意は一時的に必要ではありますが、その多くは高額医療制度により還付されるので、一般的な所得の方であれば実質負担は月8~9万円となります。
加えて、日本でガンは2人に1人が発症するといわれていますが、年代別で見ると、40代までの発症率は数%程度で、50代以降からより顕著に発症率が増加します。
以上の状況を「保険の本質」から検討すると、
・ガンに係る費用は通常、致命的な額にならない
・確率的に若年層は保険加入より、その掛け金を貯蓄に回すのが合理的
・一定の資産があれば医療保険・ガン保険の必要性は低い
と私は考えます。
■今の私に必要な保険は3つだけ
・自動車保険
・火災保険
・生命保険
以上3つだけで十分だと感じています。
この内、生命保険については、資産形成の進捗状況や子供の成長に伴って必要額が変わりますので、一定期間ごとの見直しと、将来的な解約が必要だと考えています。
※子供の自転車賠償責任保険は除いています。
■かつて入っていた貯蓄型生命保険
以前、私は「貯蓄型生命保険」にも加入していました。
・満期まで積み立てれば元本+α
・死亡時に300万円保障
当時は、掛け捨てじゃないからお得と考えていましたが、冷静に考えれば
・保険としては保障が少なすぎる
・貯蓄としては手数料が高すぎる
という必要性の薄い、中途半端な商品でした。
この商品は3年前、約15万円元本割れする状況で、かなり迷った上で解約しましたが、解約金でS&P500インデックスファンドを購入したことで、損失以上の含み益を得ることができています。
この経験からも、「保険」と「貯蓄」は分けて考えるべきだと改めて感じています。
■保険の必要性を自分で考える
保険は、
・入って当たり前
・公務員だから共済加入は当然
・周りも入っているから安心
こうした空気で選びがちです。
ですが、本来保険は「日常生活が壊れてしまうようなリスクに備える」ものであって、思考停止で払い続けるものではありません。
社会保障が世界最高峰の日本に生きる私たちにとって、民間保険は最小限で十分だと思います。
私自身、今後、生活状況が変化する中で、本当に必要な備えを見極め、必要な範囲の保険を考えていきたいと思います。